さわれるサステナビリティ。体験型の社内浸透「Office as a Museum」(三菱地所株式会社様)

さわれるサステナビリティ。体験型の社内浸透「Office as a Museum」(三菱地所株式会社様)

Partner Profile

業種:総合デベロッパー
社員数:903名(2020年3月時点)
上場有無:有
担当部署:サステナビリティ推進部
興味テーマ:建築、まちづくり

Issue

社員の方のサステナビリティへの関心向上と、コロナ禍における新たなオフィス活用

日本全国でオフィスビルや商業施設、不動産の開発、運営を行う三菱地所。『街の力を、地球の力に。』というコンセプトを掲げ、サステナブルなまちづくりを通じて社会に貢献していこうとしています。今回は、「もっと手に取れる形で社員がサステナビリティを身近に感じ、関心を持つ機会にしてもらいたい」とご相談をいただきました。

また、新型コロナウイルスの影響で多くの企業がオフィスを持つ意味やその価値を再定義しようとしています。そこで、オフィスをミュージアムと見立てることで、オフラインならではの体験と新たなオフィス活用の可能性を模索しました。

Solution

サステナビリティに関する社内向け展示と月一回の社員向けオンラインイベント

今までIDEAS FOR GOODが取材やニュース記事で取り上げたプロダクトを中心に、三菱地所本社オフィス内のマグネットスペース(※)で毎月異なるテーマに沿った社員の方向けの展示「IDEAS FOR GOOD Museum in MEC」を開催しました。

展示には、プロダクトの近くに置いたカップに飴の包み紙を入れて投票していただくという、「ナッジ」のアプローチを導入することで、社員の方が主体的に展示に参加できる仕組みを考えました。ここでは実際に展示を行ったテーマの一例をご紹介します。

※マグネットスペースとは、コピー機の周りや給湯室などのように自然と人が集まる空間、もしくはそのように設計された空間のこと。

プラスチック

3月の展示の様子
プラスチックをテーマとした回では、海洋プラスチックごみから作られたプロダクトや、プラスチックストローの代替品になる竹ストローやサトウキビストローなどを設置しました。「プラスチックごみ問題を解決する新しいソリューション」や、「プラスチックという物質自体の害悪ではなく、人間のプラスチックの使い方について再考する」というメッセージを込めた展示にしました。

4月の展示の様子
食をテーマとした展示では、廃棄食材から作られたおもちゃや日用品、大豆ミートのような代替肉などを展示。気候変動と食の関連性や食品ロスの問題に焦点を当ててプロダクトをセレクトし、今後の食事でどのような選択をしていくかを社員の方と一緒に考えました。フェアトレードや再生エネルギー使用に取り組むブランドのチョコレートや昆虫食など、一部の食べられるプロダクトは展示するだけではなく、実際に社員の方に試食してもらいました。

廃棄物

廃棄物をテーマとした回では、廃棄食材からできた衣料品や、建材をアップサイクルしたアクセサリー生分解可能なマスクなどを展示しました。また、廃棄物からできたスニーカーや、学校で使われていた牛乳瓶や楽器などをアップサイクルしたプロダクトなども紹介。廃棄物の魅力的な再利用方法から、廃棄物を出さない設計のプロダクトまで、サーキュラーエコノミーの観点から廃棄物について改めて問い直す展示にしました。

社員さんの参加を促す「ナッジ」

各フロアの展示場所に飴を入れた箱と投票用の瓶を設置
より主体的に展示に参加していただくため、自発的な行動変容を促す「ナッジ」のアプローチを試みました。今回、お気に入りのプロダクトに飴の包み紙で投票して頂くシステムを採用し、この飴はEC販売でフードロス削減に取り組むKURADASHIで購入しました。

プロダクト説明のパネルはリサイクル可能な「Recoボード」を使用し、環境に配慮した展示を試みました。パネルにはプロダクトに関するIDEAS FOR GOODの記事に飛べるQRコードを載せ、社員の方のより深い学びにつなげる工夫をしました。

オンライントークイベントの様子

プラザイベントで使用したスライド
Zoomで開催したオンライントークイベントでは、月次のテーマについて網羅的に理解できるようにするため、問題の現状や原因から、それに対する世界の動きやユニークなソリューション、個人でできる工夫まで、詳しくお伝えしました。また、テーマに関連する過去のIDEAS FOR GOODの記事の紹介や、展示プロダクトの詳しい紹介なども加えて行いました。プラスチックがテーマのイベントでは、香港の水に溶けるバックを実際にその場で溶かしたり、食がテーマのイベントでは、イベント中に昆虫食を社員さんに試食していただいたりと、よりライブ感のあるイベントにする工夫をしました。

Outcome

日常生活に身近なプロダクトから、建築やまちづくりといった三菱地所の事業に関わるプロダクトまでを積極的に展示することで、様々な切り口からサステナビリティに興味を持っていただけました。また、日本国内のものだけではなくIDEA FOR GOODの強みである海外のプロダクトも展示することで、普段なかなか見ることができないユニークなアイデアに触れていただくことができました。

Comment

社内や不動産業界の情報を提示するだけでなく、国内外のサステナブルなプロダクトを通して、社員が楽しみながら、実際に手に取り、触って、体験することでよりサスティナビリティを身近に感じてもらう新しい形での情報発信コーナーを実現することができました。本企画実施後は社内外から反響があり弊社グループ企業からも本企画やプロダクトアイデアを取り入れたいといった声が上がるなど、様々な取り組みへとつながっています。今後さらに企画展示に工夫を重ね、より社員の知識浸透と意識向上を図ると共に、本企画を社外にも展開して行く予定です。

三菱地所株式会社 サステナビリティ推進部 ご担当者様

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上記のような空間展示プランをご希望の方は、IDEAS FOR GOOD Business Design Labをご活用ください。「Turn Ideas into Actions(アイデアを形に変える)」をコンセプトに、SDGs・サステナビリティ・CSV・サーキュラーエコノミー関連プロジェクトの企画立案・立上・運営までをサポート致します。IDEAS FOR GOODチームとの共創プロジェクトのご提案も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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