ポストコロナのまちづくりとは?世界7都市のサステナビリティ最新動向リサーチ(森ビル株式会社様)

ポストコロナのまちづくりとは?世界7都市のサステナビリティ最新動向リサーチ(森ビル株式会社様)

Partner Profile

業種:総合デベロッパー
社員数:1560名(2020年6月時点)
上場有無:無し
担当部署:タウンマネジメント事業部
興味テーマ:まちづくり、ポストコロナ

Issue

世界諸都市の最新動向から学べる知見を活かしたい

六本木や虎ノ門など、東京都港区を中心に都市開発を行う森ビル。海外からの駐在員なども多く来訪する街が、どのようにグローバルスタンダードの魅力を内包できるのか。そして、東京はポストコロナの時代にどのような都市を目指していくのか。海外のサステナブルなまちづくりにおける先進都市の事例と、それが街に実装される様子を知りたいとご相談をいただきました。

Solution

世界諸都市で行われているプロジェクトと都市の動向に関するレポート作成

今までIDEAS FOR GOODが取材をしてきた都市を中心に、世界的な注目を集める7都市を選定し、現地での政策とプロジェクトをレポートにまとめました。また、集めた事例の中から、今後まちづくりで注視されていくであろう下記のキーワードをピックアップしました。

ポストコロナで注視されていくキーワード
  • Circular City
  • Regenerative City
  • Thriving (Doughnut) City
  • Green & Just Recovery
  • Build Back Better
  • 15 minute City
  • Wellbeing Economy

注目を集める7都市

アムステルダム(オランダ)
アムステルダム
Image via Unsplash

オランダは洪水を繰り返してきた地域でありながら、隣国の列強に劣らない経済活動を行うために、環境負荷の軽減と経済活動を分離させるサーキュラーエコノミーの考え方を浸透させてきました。アムステルダムでは、2050年までに100%サーキュラーエコノミーを実現することが宣言され、ドーナッツ経済学のモデルを採用してクリエイティブで洗練された「ダッチ・デザイン」を活かしたプロジェクトが実践されています。
【参考】ドーナツ経済学でつくるサーキュラーシティ。アムステルダム「Circle Economy」

バルセロナ(スペイン)
バルセロナ
Image via Unsplash

スペインは2012年に金融経済危機に陥り、それをきっかけに経済ではなく人間中心的な都市のあり方を重視するようになりました。バルセロナ市では都市を生態学的な観点から捉えてデータサイエンスを使った分析をする「バルセロナ市都市生態学庁」を設立し、市民にパブリックデータを公開しています。都市の代謝や機能性を保持しようという自給自足の観点でICTを戦略的に使って都市計画の企画提案や戦略に活かしています。
【参考】スマートシティ先進都市バルセロナに学ぶ。市民を中心とした都市運営の生態学的アプローチ

グラスゴー(イギリス)
グラスゴー
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第二次世界大戦後に造船業で産業都市として栄えたものの、その後衰退の道を辿ったグラスゴーは、都市のイメージを大幅に転換するため、「文化都市」そして「環境都市」のビジョンを掲げ政策を推し進めてきました。そして政策だけでなくビジネスにもサーキュラリティーを持ち込めるよう、Circular Glasgow、Zero Waste Scotlandなどの団体が現地の中小企業のサーキュラー化を支援しています。
【参考】シンプルで効果的なリサイクル促進法。スコットランドで飲料ボトルにデポジット導入

コペンハーゲン(デンマーク)
コペンハーゲン
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2050年までに世界初のカーボン・ニュートラルな都市になる宣言をしたコペンハーゲン。自転車移動がしやすく、緑のある空間が多い都市であり、市民がリラックスしてコミュニケーションを取りやすい環境が整備されています。そして、デンマーク政府の安定した政治や社会体制によって、産官学民がそれぞれの得意分野を活かしたコラボレーションが可能になっています。
【参考】ヨーロッパの「みどりの首都」コペンハーゲンに学ぶ、サステナブルな都市の未来

マルメ(スウェーデン)
マルメ
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マルメはデンマークの首都コペンハーゲンから電車で40分の位置にあり、180カ国以上の国籍の人々から成り立つ多様性のある都市です。工業化時代の衰退から、サステナビリティ・知識集約型の都市へと変換しました。環境面だけではなく、失業や教育格差の対策など社会面も一緒に考える「ソーシャルサステナビリティ」をキーワードにしたまちづくりを大事にしています。
【参考】建物そのものが展示物。気候変動を学ぶ、マルメの海洋教育センター

ニューヨーク(アメリカ)
ニューヨーク
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文化的・社会的に多様な人々を抱える、世界最大級の都市・ニューヨーク。そこでは、誰一人として取り残さない、インクルーシブ(包摂的)な取り組みが数多く生まれてきました。サーキュラリティを実現しながらの低所得者層の自立支援や、狭小な都市空間を活用したサステナブルでオープンな屋上農園。これらの取り組みには、激動の大都市で生き抜いてきたニューヨーカーたちの「助け合い」や「Give」の精神が色濃く表れています。
【参考】すべてライフスタイルとして楽しむ。ニューヨークで育まれる等身大のサステナビリティ

ポートランド(アメリカ)
ポートランド
Image via Unsplash

アメリカの中でも「Creative City」「Thriving City」と言われるポートランドでは、都市をむやみに広げないコンパクトシティ政策が行われてきました。ネイバーフッドアソシエーションという住民組織によって地域のあらゆる意思決定が行われ、街づくりに市民の声が色濃く反映されているのが特徴です。
【参考】リバブルシティ

Outcome

「サーキュラー」「ウェルビーング」などのコンセプトは内容が掴みにくいものですが、7都市で行われる施策を俯瞰することで、その輪郭をよりはっきり描いていただくことができました。さらに、7都市それぞれでイニシアチブをとるステークホルダーが異なることからも、今後森ビルの様々なプロジェクトにおいて応用していけるサンプルを複数提示することができました。

Comment

新型コロナウイルスの拡大により国外に出ることのできない状況下で、世界中の大都市から中規模の都市を対象に広くリサーチをしていただきました。共通したキーワードはあるものの、都市の持つ個性に応じて、アプローチや実装の方法が異なることが理解できました。また、現地からの具体的な情報も含まれ、施策の実際の浸透度も把握することができ、大変有意義なレポートだと感じています。デベロッパーとして東京で何ができるか検討をしていくうえで、本レポートを大いに活用したいと思います。

森ビル株式会社 タウンマネジメント事業部 ご担当者様

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上記のようなリサーチレポートをご希望の方は、IDEAS FOR GOOD Business Design Labをご活用ください。「Turn Ideas into Actions(アイデアを形に変える)」をコンセプトに、SDGs・サステナビリティ・CSV・サーキュラーエコノミー関連プロジェクトの企画立案・立上・運営までをサポート致します。IDEAS FOR GOODチームとの共創プロジェクトのご提案も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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