【2021年最新版】脱プラの現状と課題とは?大手企業10社の取り組み事例をご紹介

【2021年最新版】脱プラの現状と課題とは?大手企業10社の取り組み事例をご紹介

日本でも多くの企業が持続可能な社会の実現に向けて動き出しているなか、世界各国の政府や企業が「脱プラ」を掲げ、さまざまな取り組みを始めています。本記事では、脱プラに取り組む大手企業をピックアップし、取り組みの内容や効果、そして企業が脱プラに取り組むうえでの課題についてご紹介します。

目次

1. プラスチック削減への動き、その必要性

国内では、すかいらーくやサントリー、セブンイレブンなどの大手企業が、レジ袋の有料化や包装の代替などを行っています。また、EUでは使い捨てプラスチック製品の一部が流通禁止となったほか、米国・ニューヨーク州でもレジ袋を廃止しました(※)。

しかし、未だ廃プラスチックは世界で年間約800万トンにものぼり、これは東京スカイツリー約222基分にもなります。適切に廃棄されなかった廃プラスチックの多くは海に流れ、海洋生物がプラスチックを誤飲してしまう例も多発。最終的には、それが食物連鎖によって人間の身体への健康被害も予測されている状況です。

また、日本においては廃プラスチックの半分を中国に輸出していましたが、2018年に中国が廃プラスチックの輸入をストップ。代わりに東南アジアや台湾などへと輸出してきましたが、これらの国々も他国からの輸入を制限する動きを見せています。なかでも、中国に代わって有数の廃プラスチック輸入国となったマレーシアでは、リサイクルコストがかさむことを恐れた業者による廃プラスチックの放置により、火災が相次いでいるといいます。

世界各地でプラスチックの行き先を考えなければいけない今、脱プラに向けてどのように取り組んでいくことが必要なのでしょうか。

※新型コロナ感染対策として、レジ袋の無料提供を再度容認している地域もあります。

2. 大手企業の脱プラ事例10選

本章では、大手企業の脱プラへの取り組み事例をご紹介します。

2-1. 花王やエステーなど10社が連携しプラ容器回収へ

北九州市と花王やエステー、ライオンなど日用品メーカー10社が連携し、使用済みのプラスチックボトルや詰替えパウチを分別回収する取り組みを行っています。消費者が、市内のスーパーなどに設置された回収ボックスにあるQRコードを読み込むと、LINEの公式アカウントから寄付先を選択できるようになっており、寄付金は参画している企業が負担する仕組みです。

もともと日用品業界では、メーカーによって使用しているプラスチック素材が異なっているため、リサイクルの仕組みが確立されていませんでした。この仕組みでデータを蓄積して素材統一化に動き出す見込みです。

2-2. レゴ ブロックのプラスチック包装廃止へ。ブロックの素材もサステナブル化

デンマーク発の玩具メーカー・レゴは、ブロックを包装しているビニール製の内袋を全廃する方向に動き出しました。2021年から順次FSC認証を取得した紙袋に置き換えていく予定です。当初は2025年までに全廃するとしていましたが、後に前倒しすると表明しました。

また、2030年までに持続可能な材料から製品を製造するという目標を設定しており、サトウキビから作られる植物由来のプラスチックやリサイクル素材でできたブロックの使用を拡大していくとしています。

2-3. ローソン ハンドソープ・シャンプーなどの量り売りを開始

ナチュラルローソンが、2021年2月より、ハンドソープやシャンプー、ボディソープなどのボディケア商品の量り売りを実施しています。ナチュラルローソンでは、2020年8月に洗剤の量り売り実験をしており、洗剤の量り売りを体験した消費者からの要望の声も多かったようです。

利用者は、リサイクル原料を使用した2種類の無料容器から1つ選び、予め秤で重量を計測します。その後、商品タンクから必要な量を充填して再び重量を計測すると価格が表示されます。専用シールが発行されるので、容器に貼り、レジに持っていきます。

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2-4. バカルディ 贈答用プラスチック包装を削減

世界最大手のスピリッツメーカー・バカルディは、2021年度の年末年始期間の贈答用包装に使用するプラスチックを昨年より50%削減するとしています。ダンボール製のものに代替することで、使い捨てプラスチックを年間147トン削減できる見込みです。

また、2023年までに贈答品及び店頭におけるプラスチックの使用を完全廃止し、2030年までにプラスチック使用を100%廃止することを目標としています。

2-5. ファミマ 海洋プラごみから再生した買い物かごを導入

国内大手コンビニチェーンファミリーマートは、2021年10月から、首都圏などの一部店舗で海洋プラごみから再生した買い物かごを導入しています。同年2月から九州の4店舗で行われていた取り組みを拡大し、計24店舗に導入するということです。

買い物かごには、長崎県対馬市で回収された海洋プラごみが原材料の一部として使用されており、ファミリーマート・伊藤忠商事・テラサイクルジャパンの3社が共同開発しました。また、製造費用には店頭販売している有料レジ袋の収益を充てています。

2-6. 箱根湯の花プリンスホテル 「脱プラスチック」宿泊プラン開始

箱根湯の花プリンスホテルは2021年11月から、プラスチック製のアメニティーを設置しない「~地球環境に優しい旅を~ECOcationプラン」を開始しました。2022年4月に施行される「プラスチック資源循環促進法」を受け、地球環境に配慮したホテルを目指した取り組みです。

このプランでは、プラスチック製のヘアブラシや歯ブラシの設置をやめ、宿泊者が持参します。その代わりに宿泊者には繰り返し使用できるシリコン製のストローを提供し、脱プラスチック意識向上を図る仕組みです。

2-7. ユーグレナ・EPSON・NEC バイオプラを開発する団体を設立

株式会社ユーグレナ、セイコーエプソン株式会社、日本電気株式会社の3社が、微細藻類ユーグレナの貯蔵多糖・パラミロンを使ったバイオマスプラスチック「パラレジン」の開発・推進を目的とした、パラレジンジャパンコンソーシアムを設立しました。

バイオマスプラスチックは、再生可能な生物資源を原料につくられるプラスチックで、焼却してもカーボンニュートラルとなります。EPSONは、ユーグレナの培養に必要な古紙などの未利用資源を糖化させるプロセスを規格化させ、株式会社ユーグレナがパラミロンを製造し、NECがパラレジン製品をつくる仕組みです。

2-8. エスティ・ローダー プラスチック使用量削減のため独自のガイドラインを設定

米国に本社がある化粧品の製造・販売メーカーであるエスティ・ローダーは、2025年までに包装の75~100%をリサイクル可能・リサイクル済みのものを使用・再回収可能などを掲げており、2018年中頃以降、プラスチック製マイクロビーズを使用した製品の製造・販売を中止しています。

また、使い捨て及び非リサイクルプラスチックの使用量を削減するためのガイドラインを設けています。販売カウンターのプラスチック製アプリケーターを紙や木製素材で代替したり、オフィスでプラスチック製ボトルを削減したりと、バイオプラスチックを使ったアイテムの提供を進めています。

2-9. エコアルフ ブランド設立12年で2億本以上のペットボトルをリサイクル

エコアルフは、すべてのアイテムを再生素材や環境負荷の低い天然素材のみで作っている、スペイン生まれのファッションブランドです。廃棄されたペットボトルやタイヤ、魚網などをリサイクルして生地にし、新たな製品を生み出しています。

2009年のブランド設立以降、累計2億本以上のペットボトルを製品にリサイクルし、また、ブランド自ら海洋ゴミを収集しウェアをつくる取り組みも行っています。

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2-10. テスコ 英国内全店舗で軟性プラスチック廃止

英国大手小売企業のテスコは、飲料のまとめ売り用軟性プラスチックを、国内の店舗全てで廃止しました。紙製やリサイクルしやすい硬性プラスチックで代替します。この措置によって、年間約5,000万個の未リサイクルプラスチックが削減されるということです。

また、ラベル・キャップに使われるシュリンク包装や、缶詰のマルチパックを排除するなど、2020年だけで10億個のプラスチックを削減しました。

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3. 脱プラに向けた課題とは?

脱プラに向け、今後どんなことが課題となるのか、ポイントを3つにまとめました。

3-1. 代替素材の選定

まず課題となるのが、代替素材の選定です。現在、紙やバイオプラスチックなどを代替素材として使用している例が多く見られます。一方、代替素材が従来のプラスチック素材と比較して耐久性の面で劣っていたり、食品・飲料の風味を変えてしまったりと、コストを上げて代わりの素材を使ったとしても、従来の機能を完全に再現するのは難しいのが現状です。使用用途ごとに最適な代替素材を探して利用し、またどの程度プラスチックを減らすことができるのかを可視化していくことが必要です。

3-2. 流通しているプラスチックの回収・循環利用

続いて課題となるのが、すでに流通しているプラスチックの回収・循環利用です。日本のプラスチックのリサイクル率は約85%(2017年)ですが、そのうち約60%を熱やエネルギーとして再利用するサーマルリサイクルであり、再び同じ製品にリサイクルする「水平リサイクル」の割合は22%にとどまっています。その理由の1つとしては、プラスチック製品の回収・リサイクルの仕組みが広まっていないことが挙げられます。先に挙げた北九州での事例のように、やむを得ず石油由来のプラスチックを使用している製品を、いかにメーカー側が回収しリサイクルする仕組みを作ることができるかが課題といえるでしょう。

3-3. 量り売りモデルへの転換

2章のローソンのような量り売りのシステムは、欧州などで先進的な動きが見られます。ほしい商品に必要な容器だけを持参し、必要な分だけ購入するこのシステムは、レジ袋や使い捨てプラスチックの利用を減らすことはもちろん、無駄な消費や食品ロスも減らすことができます。一方、仕入れた商品を量り売り用の容器へ入れ替えたり、補充や洗浄をしたりする必要があるなど、手間が増えるというデメリットもあります。ゆえに、どの商品であれば現代の量り売りに適しているのか、販売側・顧客側双方のニーズを満たすポイントを見つける必要がありそうです。

プラスチック問題の本質を捉える

以上の項目を踏まえ、可能な部分から脱プラの目標を定め、効果を検証していく必要があります。また、企業を取り巻く消費者やNGOの目は厳しいものとなっており、Z世代を中心に商品やサービスの裏側にあるストーリーや真実を重視する傾向も見られています。そうしたなかで、言葉だけを必要以上に謳う広告や裏側が見えづらいサービスは、批判の対象になったり、選ばれなくなったりする可能性もあります。そもそも脱プラスチックは通過点でしかなく、目指すべきはそれによる生態系保全や温暖化の抑制など本質的な問題の解決です。ゆえに、何のために脱プラを行い、企業としてどのような姿勢で脱プラを行っているのか、どのようにコミュニケーションしていくかも課題であるといえます。

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