「おうち時間」にビジネスチャンスを。巣ごもり需要のアイデアまとめ

「おうち時間」にビジネスチャンスを。巣ごもり需要のアイデアまとめ

新型コロナウイルス感染症が世界中で蔓延しています。ロックダウンが解除されても、ソーシャルディスタンスをとったり、3密を避けたりするため、以前より家で過ごす時間が長くなっている人が多いのではないのでしょうか。コロナ禍の外出自粛に伴って、家で楽しめるサービスやモノに対する、いわゆる「巣ごもり需要」が高まっています。出前サービスやゲーム、動画配信プラットフォームなどが身近な例でしょう。

「巣ごもり需要」が高まる今、「おうち時間」を豊かにしてくれるソーシャルグッドな事例をご紹介します。これらの事例は、単に現在の危機を乗り越えるためのアイデア以上に、これからの世界をよりよくしていくためにはどんなビジネスが良いのかを考えるきっかけになるかもしれません。

目次

1.「巣ごもり需要」の実情とは?

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「巣ごもり需要」の実情はどのようなものなのでしょうか。バンドルカード運営の株式会社カンムの調べによると、以下の特徴が見られます。

  • 「生活が変わった」は7割近く、ただし、学生や専業主婦・主夫と比べると社会人は実感がやや薄い
  • 内食・昼食や衛生用品で支出増加
  • ライブなどのイベント中止は影響大、かわりにエンタメ系の巣ごもり消費が増加
  • コロナウイルスの影響で得たものは「家族との時間」、あきらめたものは「式典」「ライブ」「旅行」など

健康を守る「衛生用品」や、外出せずに楽しめる「ゲーム・書籍・コミック」や「動画・音楽の配信サービス」「内食・中食」への需要は増加している一方、外に出る必要のある「外食」や「旅行・イベント」「ジム・プール」また「身だしなみ・美容」の需要は減少しています。みなさんの実感値とも概ね一致しているのではないでしょうか。

「巣ごもり需要」の高まりを、自分のビシネスにどのように活かしていけるのかのヒントとなる事例を下記で見ていきましょう。

2.おうち時間にアプローチするアイデア5選

2-1 家がレストランに早変わり。憧れのシェフがやってくる

家での楽しみに、「食」は欠かせません。家で自炊するのに疲れている時にありがたいのが、フードデリバリーサービス。電話やネット注文で、すぐに美味しいご飯を食べることができます。「シェアダイン」というサービスは、家で料理の作り置きをしてくれる出張マッチングアプリです。家が簡単にレストランに早変わり。注文者だけではなく、感染拡大の影響で活動の場を失いつつある、飲食店の料理人をサポートすることにも役立ちます。

シェフが盛り付けをしている
Image via shutterstock

2-2 都会の自宅ではちみつや新鮮な野菜を収穫

自宅で生物多様性の担保に貢献しながら、家庭菜園を楽しむ方法があります。野菜や果物の受粉を媒介しているハチの数が減少していることをご存知ですか。食料となる100種類の作物の7割は、ハチが受粉を媒介しているため、その数が減れば私たちの食生活に影響があります。そこで、イタリアのbeeingという会社は、プロの養蜂家でなくても、誰もが簡単かつ安全にハチを飼育できる巣箱を設計しました。家のベランダや庭などに設置できるサイズであり、はちみつを集める場所とハチが住む場所を分断できるため、防護服を着なくてもはちみつを収穫することができるのです。

また、家で手軽にコンポストができるキットも販売されています。

都会の自宅でできたての蜂蜜を収穫できる「b-box」

2-3 環境負荷の少ないオンラインショッピング

サイバーエージェント次世代生活研究所の意識調査によると、コロナ禍による外出自粛期間中、全世代において、買い物をする場所が、実店舗からオンラインでの消費に移行しました。環境負荷を考え地域型実店舗での購買を心がけていた人たちも、オンラインショッピングに頼らなくてはいけない場面が増えました。そんな中、従来のものより環境負荷の少ないEコマースが次々と誕生しています。デンマークのアクティブウェアブランド「Organic Basics」は、環境負荷を抑えたウェブブラウジング「Low Impact Webpage」を立ち上げました。また、「EcoCart」のウェブサイトでは輸送の際の二酸化炭素をオフセットすることができます。

Eコマースショッピング
Image via unsplash

2-4 ロボットを操り、川のゴミを収集するゲーム

ゲームで遊びながら社会貢献できる事例もあります。シカゴの河川をきれいにするために現地の慈善団体「Urban Rivers」がはじめた、ゴミ収集ロボット「Trashbot」を遠隔で操作してゴミを回収するという新感覚のオンラインゲーム。プレイヤーはインターネット経由でゲームにアクセスし、遠隔からTrashbotを操縦することで、ゲームを楽しみながらシカゴの川に浮かぶゴミを一掃できます。現地に行かなくても世界中のゲーマーがオンラインからクラウドソーシングの形でシカゴの河川美化に参加することが可能となっており、テクノロジーとゲーミフィケーションを掛け合わせたユニークな清掃活動です。

ゲーマーを巻き込み、シカゴの河川を清掃するゴミ回収ロボット「Trashbot」

2-5 無料でAIを学習できるオンラインコース

フィンランドでは、AIについて誰でも無料で学べるオンラインコース「Elements of AI」がオープンしました。開発したのは、ヘルシンキ大学とフィンランドのIT企業であるリアクター社。同国はこれまでにもフィンランド人口の1%(=5万5000人)にAIに関する基礎教育を無料提供し、徐々に対象者を増やすことで人々のデジタルリテラシーを高める取り組みをしていました。

また、グッチやサンローランを展開するラグジュアリーファッショングループのケリング社がロンドン芸術大学のロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(LCF)と組んで提供している「サステナブル・ファッション」がテーマの無料公開オンラインコースもあります。

フィンランド発、無料でAIを学べるオンラインコース「Elements of AI」

3.事例から学ぶ、「巣ごもり需要」の活かし方

「おうち時間」を充実させながら、社会貢献もできるサービスやプロダクトをご紹介しました。ここでは、「巣ごもり需要」の活かし方のポイントを整理します。

3-1 家時間で欠かせない「食」の充実

外出できずに家にいる時間の多い中、「食」は毎日の楽しみの一つです。「食」業界は幅広く、農業や流通、小売、サービス業など多種多様です。それだけ、気候変動や孤食などの様々な社会課題と密接に関わっているので、「食」について意識することは、社会課題を解決する手段にもなるのです。上記で挙げた事例では、家にシェフを呼ぶことで彼らの雇用を確保したり、自宅で自給自足の生活をすることで街に緑を増やしたり、買い物に行く回数が減る分スーパーのプラスチック袋をもらわずに済んだりします。事業としても、出前やオンラインでの料理教室、農家と消費者を直接つなげるプラットフォームなど、いろいろな形態が考えられます。

3-2 ウェブサイト自体をソーシャルグッドに

買い物をするにも、情報を得るにも欠かせないインターネット。「デジタル化はエコ」というイメージがありますが、実はインターネットを通して情報やデータをやり取りするのに利用される電力は、全体の3.7%を占め、それは航空業界の量と同等とも言われています。そのため、オンラインから排出される二酸化炭素量を減らすことができれば、気候変動にとって大きなインパクトがあるでしょう。上記でご紹介したEコマースの他に、検索するたびに植林される機能がついたドイツの検索エンジン「Ecosia」もあります。Ecosiaは、検索広告の収入を利用して植樹プロジェクトを行っています。

3-3 オンラインで人を巻き込み、社会課題解決

ゲーム業界はコロナ禍で伸びた業界の一つです。例えば、ゲーム機「ニンテンドースイッチ」を販売する任天堂は、2020年4~6月の純利益が前年同期比で6倍以上でした。ゲームをしながら社会貢献できるサービスは、特に社会課題に関心のあるミレニアル世代やZ世代に需要があるのではないでしょうか。また、実際に人と会えなくなった今、オンライン上で人とコミュニケーションをとることは、ウェルビーイング(幸福・健康)にとっても重要です。

3-4 おうち時間にオープンな学習ツールを

これからのキーとなる最新のテクノロジーやサステナビリティについて学べるオンライン学習ツールが登場しました。

ビジネス面からもオンライン学習ツールはますます重要になるでしょう。上記でご紹介したAIとサステナブル・ファッションの事例は、どちらも無料の学習ツールですが、従来実際に人が現地に行って学んでいた留学をオンラインで有料で提供するビジネスモデルもあります。

また、これまでプロダクトという成果物がキャッシュポイントであったビジネス(例えば、酒の販売)でも、キャッシュポイントをプロダクトが作られるまでの過程(酒造の様子)を見せたり教えたりすることに変換することで、「巣ごもり需要」を満たすビジネスモデルができると言えるでしょう。

Business Design Labが開催するワークショップって?

いかがでしたか。上記で見てきたように、ピンチは新しいビジネスのチャンスでもあります。コロナ禍という一つの大きなターニングポイントに立つ今、これをチャンスだと思い、自分たちの欲しい未来を作っていくために今後求められるビジネスを一緒に考えてみませんか。

IDEAS FOR GOOD Business Design Labでは、CSV事業開発・異業種ネットワーキングに役立つ会員限定のイベントをオンラインで毎月実施しています。さまざまなアイデアを事業開発としてどのように始めたらいいのか分からない、近い志を持った仲間を異業種や同業種で見つけたいという方におすすめです。

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※本記事の執筆にあたり、Business Design Labが提供する国内外の事例検索機能IDEAS Explorer(会員登録後閲覧可能)を使用しています。会員登録は無料ですのでぜひご活用ください。

【参照サイト】巣ごもり消費に関する意識調査
【参照サイト】コロナ禍で、消費者の「オンラインショッピング」と「動画配信サービス」・「料理系アプリ」の需要が増加。 withコロナにおける日本人の消費意識とメディア行動の変化を調査
【参照サイト】任天堂、4~6月の純利益6倍超 巣ごもり需要の恩恵

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