橋や道路などの公共物の老朽化が社会的な問題となるなか、菌を使ったコンクリートの自己治癒プロセスが研究されている。菌の胞子をコンクリート混合物に混ぜ、眠らせる。コンクリートにひびが生じると、水と酸素が入り込むことで菌の胞子が生き返って成長し、炭酸カルシウムを凝結し、ひびを埋める。ひびが完全に埋まって水と酸素が中に入れなくなると、菌は再び胞子に戻るという仕組み。小さなひび割れを自己治癒することで、鉄筋の腐食や構造的欠陥にまで至るのを防ぐのが狙い。
リサーチャー, Vienna
イギリスの大学院で戦争学、国際関係学を学ぶ。欧州在住フリーライター。EUの政策・規制、経済、産業、政治、環境リサイクル分野での執筆活動および調査に携わっている。趣味は旅行・油絵・書道・犬の飼育・ワイン(飲酒)。