テレワークの効率を上げる方法とは?海外で注目のユニークなツールやポイントをご紹介

テレワークの効率を上げる方法とは?海外で注目のユニークなツールやポイントをご紹介

新型コロナウイルスの蔓延によって、多くの企業が導入したリモートワーク。総務省が2020年の3月〜4月に行った緊急調査によると、東京都でテレワークを導入している企業は1か月で約2.6倍に増加しました。ウイルスとの戦いが長期化するなか、多くの企業は今後もテレワークを定着させる方向に向かっています。好きな場所で働ける、通勤時間を自由に使えるなどのメリットも多いテレワークですが、一方で働く環境づくりやコミュニケーションの難しさなど、課題もたくさんあります。

今回は、仕事の効率アップや働く人の幸福度をアップさせる国内外の事例をご紹介しつつ、より良いテレワークを行うための方法を考えていきます。

目次

1. テレワークが抱える問題とは?

日本の労働組合におけるナショナルセンターである日本労働組合総連合会が2020年6月に行ったテレワークに関する調査2020によると、テレワークのデメリットとして最も多かった回答が「勤務時間とそれ以外の時間の区別がつけづらい」(44.9%)というものでした。これに関連して、半数を超える51.5%の人が「リモートワークは通常の勤務よりも長時間労働になることがある」とも回答しています。また、小学生以下の子どもを抱える回答者の80.9%がテレワークの困難さを感じていることが明らかになりました。

この結果から、「働く環境」を整えることがテレワークの一番の課題であると言えます。夫婦共働きの家庭はワークスペースを分けることが難しかったり、子供が自宅にいる場合は思うように集中して仕事をすることがままならなかったりします。そして、自室で作業ができるからといって夜遅くまで仕事を続けてしまうと、長期的に疲労をため込んでしまい、人によってはメンタルヘルスに支障をきたすことにもつながりかねません。

また、テレワークの課題のひとつとしてよく話題になるのが、社内でのコミュニケーションの難しさです。例えば、オフィスにいれば一言で済むような伝達事項や質問も、チャットやメールでテキストを使って伝えなければなりません。誤解を生んだり行き違ったりしないように気を配るのは、手間がかかると感じる人もいるでしょう。相手の業務量や忙しさがわかりにくいため、気軽に雑談をする機会も減ってしまい、ちょっとしたアドバイスや相談、仕事の評価が伝えにくいことも挙げられます。

しかし同時に、今後のテレワークの継続意向についての調査では約8割を超える人が「希望する」と回答しており、デメリットはありつつもそれ以上にテレワークのメリットを感じ、ポジティブに捉えている人が多いことがわかります。

2. テレワーク導入企業が参考にしたい事例をご紹介

ここからは、テレワークをより良くする、国内外のユニークな事例をご紹介します。

2-1. チャットのカウンセリングで心の健康を守る

2018年に英国で設立されたSpillは、オンラインで文字を打ち込むことによるテキストカウンセリングを提供しています。このサービスは、メンタルに関することを「いつでもどこでも無料で気軽に相談できる」という解決策を提案し、企業が導入すると従業員が無料で利用できる仕組みになっています。ユーザーが「専門家に話すほどではない」と感じるようなことでも、専門資格を持ったカウンセラーに匿名で気軽に相談できるのが良い点です。実際にユーザーの84%が、これまでメンタルヘルスに関する診療やカウンセリングにかかったことはなかったと報告しています。

2-2. お互いに感謝と報酬を送りあう「ピアボーナス」

ピアボーナスは、文字通りピア(仲間・同僚)同士で日ごろの行動を評価し、チャットツールを使ったメッセージと共に少額の成果給を送りあえるシステムです。「このアドバイス、とてもタメになったよ」「プレゼン資料を見やすくつくってくれてありがとう」「社内をキレイに保ってくれて助かってるよ」など、画一化された査定や給与体系で見落とされがちな日々の努力を、身近な同僚同士でことあるごとに労い、お互いの信頼関係をより強いものにすることができます。気軽な雑談や小さな声かけの機会がなくなってしまうテレワークにおいて、ピアボーナスの導入により仕事へのモチベーションをアップさせ、それによって効率性を上げることも期待できます。

2-3. 「静寂」に着目した家具の導入

フィンランドで誕生し近年急成長をとげているFramery社が開発したのは、オフィス家具としての防音室です。主要商品はサイズに応じて3種類あり、個人の仕事用、面談やミーティング用などシーンによって使い分けることができます。当初は開かれたオフィス環境にとって貴重な「静寂」を売るビジネスでしたが、導入した多くの企業からは「従業員の生産性と共にモチベーションが高まり、オフィスに活気が生まれました。」というフィードバックが得られたとのことです。

3. 事例から学ぶ、テレワークの効率を上げるヒント

3-1. 従業員のメンタルヘルスはリモート成功のカギ

従業員のメンタルヘルスを適切にケアすることは、企業にとって長期的な事業成長のためにも不可欠です。本来ならば能力の高い人でも、メンタルヘルスに支障をきたすと、仕事の質や効率が下がってしまいます。テレワークでは特に、周りの社員やマネージャーがお互いの様子を身近で伺うこともできず、気付かぬうちに仕事を抱え大変な思いをしている社員がいるかもしれません。また、そういった状況を気軽に相談できる人がおらず孤独感を感じやすくなることもテレワークの課題です。

Spillのように無料で気軽にメンタルヘルスケアへのアクセスができるツールがひとつあると、働く人の安心感や幸福感は大きく異なってくるでしょう。テレワークではこのようなサービスの助けも借りながら、丁寧なメンタルヘルスケアを心がけていく必要があります。

3-2. テレワークにもメンバー同士のつながりを

テレワークでは、それまであったオフィスでのコミュニケーションの機会が一気に失われ、一人でただ黙々と仕事をこなす毎日になりがちです。また、オフィスでの何気ない雑談は、ときに仕事のアイデアの元となったり、モチベーションの源となっていたりするため、何か物足りないと感じている人は多いのではないでしょうか。

先ほどご紹介したピアボーナスは、リモートワークでは特に伝えにくい、日頃の感謝やリスペクトを伝えることができ、送る方ももらう方も嬉しい仕組みです。チームへの貢献や自分の意外なグッドポイントを知ることができると、仕事のモチベーションが大きく高まり、企業側にも大きなメリットをもたらします。他にも、zoomでランチ会を開催したり、雑談チャットをつくるなどして日々の業務のなかでコミュニケーションの機会を増やしていけると、チームの結束を強め、より良いアウトプットを行うことにもつながるでしょう。

3-3. 自宅でもオフィスでも集中できる環境づくりを

従業員の働きやすい環境を整えることも、テレワークを成功させる鍵となるでしょう。在宅勤務となると、パートナーや家族の影響をダイレクトに受けてしまったり、自室やリビングが働く環境として適していなかったりするかもしれません。従業員は、周りの雑音や雰囲気がどのような感じであると自分が一番集中できるのかを改めて考え、最適な環境に整えていくことで仕事の効率を各段に上げることができるでしょう。

とは言え、それら全てを従業員が自腹で整えようとすると、費用がかかってしまいます。先ほどと同様の調査結果でも、テレワークを継続する上での主な課題として、28.6%の人が「経費の負担」を挙げています。そのため、企業側は状況に応じて、従業員が心地よく働ける環境を整えるための十分な手当てを補助することが必要です。また、先ほどご紹介したオフィス用防音室のように働きやすさを向上させるために会社として投資することも、長期的に見て業績アップのために有効な手段と言えます。

4. リモートワークの効率を上げるBDLのワークショップとは?

いかがだったでしょうか。リモートワークをより良くするツールや仕組みはたくさん開発されています。まずは会社やチームの課題が何であるのかを見極め、それに適したツールやソリューションを導入していけると良いですね。

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