SDGsとの関係性は?サーキュラーエコノミーを体系的に理解するための2つのモデル

SDGsとの関係性は?サーキュラーエコノミーを体系的に理解するための2つのモデル

国連持続可能な開発目標(SDGs)の達成目標年である2030年まで最後の10年に入り、国連は「行動の10年」と定めてSDGs達成に向けた取り組みを加速させるよう呼びかけています。日本でも企業での取り組みが徐々に広がる中、最近よく聞かれるのが「SDGsとサーキュラーエコノミ―(CE)ってどう違うの?」ということです。

サーキュラーエコノミーは、ウェディングケーキとドーナツで理解せよ!

かたや国際社会の理念、かたやそれを実現するための手段、と言ってしまえば違いは明白ではあるのですが、この機会にSDGsとサーキュラーエコノミーの関係性を改めて整理してみたいと思います。

SDGsとサーキュラーエコノミー、この2つの関係性を考える上で、2つの甘い洋菓子を思い起こしてみてください。ここですでにピンと来た人は、もうこの先を読まなくてもCEの理解度は十二分と思われます。「え、どうして?」と思われた方、引き続きお読み下さいませ。

まずは、SDGsの17目標を「環境(生物)」「社会」「経済」の3層に分けて、各目標の関係性を総合的に捉えたモデル「SDGsウェディングケーキ」。3層構造のモデルがウェディングケーキのように見えるこのモデルは、ストックホルム・レジリエンス・センターのヨハン・ロックストローム氏らによって提唱されました。生態系が持続可能な形で維持されて初めて、私たち人間は社会活動を営み、さらにその土台があって経済活動を営めるのだということを象徴的に示したものです。

Azote Images for Stockholm Resilience Centre, Stockholm University

SDGsの各目標のうち、ウェディングケーキの最上部の「経済」に該当するのは目標8(働きがいも経済成長も)、目標9(産業と技術革新の基盤をつくろう)、目標10(人や国の不平等をなくそう)、目標12(つくる責任 つかう責任)の4つ。中でも、目標12にはターゲット12-2(天然資源の持続可能な管理および効率的な利用)や12-5(予防、削減、リサイクル、およびリユースにより廃棄物の排出量を大幅に削減)というサーキュラーエコノミーそのものの内容が明記されており、サーキュラーエコノミーがSDGsの達成に欠かせないことが理解できることでしょう。

ウェディングケーキの次はドーナツです。英国の経済学者ケイト・ラワース氏が提唱する「ドーナツ経済学」は、地球環境が許容できる範囲の中でバランスを保ちながら、すべての人々の社会・経済ニーズを満たすあり方を求めています。ドーナツ経済学は人類が目指すべき経済・社会システムのあり方をドーナツに例え内側の空洞と外側との間、すなわちドーナツとして食べられる部分が人間と地球環境のニーズが合致する状態であることから、ドーナツとして食べられる範囲内で経済も暮らしも営むことを目指すべきだとしているのです。ドーナツ経済学を導入したオランダ・アムステルダムでは、サーキュラーエコノミーへの移行に向けた短中長期計画が進んでいます

地球の限られた資源の範囲内で、すべての人々が社会的公正を実現することを目指しているSDGsもドーナツ経済学も、サーキュラーエコノミーがその実現のカギを握っていると言っても過言ではないのです。

出典:KATE RAWARTH オフィシャルウェブサイトより

サーキュラーエコノミーは、持続可能な経済システム実現のキードライバー

「SDGsとサーキュラーエコノミーってどう違うの?」という冒頭のような疑問の声をいただくと同時に、「CSR、CSV、SDGsと来て、今度はCircular Economy(CE)か!?」と悲鳴を上げる方々も少なからずいらっしゃいます。皆さんの会社がSDGsに取り組んでいるとすれば、CEを知っておく必要があることが今回のコラムを読んでご理解いただけたのではないかと思います。

SDGsを知り、取り組み始めたとすれば、次に必ず押さえるべきはCEです。CEという近未来の方向性を指し示すコンパスを携えながら、サステナビリティへの航海に出発しませんか。

【参照記事】アムステルダム市、ポストコロナ経済を回復させる「ドーナツモデル」を採用
【参照記事】サーキュラーエコノミーの未来像を探るオンライン学習プログラム「Circular X(サーキュラーエックス)」、4月27日より毎月開催

※本記事は、ハーチ株式会社が運営する「Circular Economy Hub」からの転載記事となります。

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