既存事業からイノベーションを起こすには?ワークショップの3つのポイントも

既存事業からイノベーションを起こすには?ワークショップの3つのポイントも

「模倣は独創の母である」という言葉があります。アイデアを生み出す際に、まっさらな状態から考えるのではなく、類似した事例を新しい視点で改善・改良することでイノベーションをより生み出しやすくなるということ。今回は、弊社(Business Design Labを運営するハーチ株式会社)でも実践した、既存事業からイノベーションを生むワークショップの手法をご紹介します。

社内コミュニケーションの活性化や、会社全体のビジョンや戦略を社内浸透させる機会としても役立ちます。

目次

1.既存事業を活かすワークショップの内容とは?

1-1.参加者は社内の異部署メンバー

このワークショップの参加者は、改善する既存事業の担当者数名(以下、Aチーム)と、その当該事業以外の担当者十数名(以下、Bチーム)とします。そして、Aチームから1人、Bチームから3~4名という構成のグループを3~4つほど作ります。

こうして、グループ内でBチームのメンバーがAチームの事業のことで分からないことを質問しやすくすることで、的を外しすぎない提案ができるような環境を整えます。

1-2当該事業をリサーチしておく事前課題を用意

本ワークショップは事前課題からスタートします。まずは、Aチームの事業のリサーチを効率的にできるようなワークシートを前もって用意。このワークシートではペルソナや事業の強み・弱みをBチームのメンバーが事前に調べて分析し、それを踏まえてイノベーションを生み出す施策(1人2~3個程度)も含めて記入できるようにします。

事前課題を用意することでワークショップ時の時間短縮にもなりますし、Aチームの事業について深く知るきっかけにもなります。

1-3実現可能性を考えるのは最後に

ワークショップ中は、グループに分かれて事前課題をもとにBチームのメンバーが考えたイノベーションを生み出す施策を付箋に書いて1人2分程度で発表します。施策を発表しながらAチームの人に意見を求めて、改変するのもOKです。ただし、Aチームの人は否定ワードや「難しい」といった言葉を使わないようにしてください。

グループ内で施策を発表したあとは、そのグループで出た施策をグループ分けして模造紙に整理します。

1-4いいね!を送りあう

1-3まで終わったら他のグループの模造紙を見に行きます。その時にはシールを忘れずに。このシールは「いいね!」を伝えるスタンプのような役割で、「その施策はおもしろい」「Bチームでもやってみたい」などポジティブな印象を持ったものにシールを貼ります。その際に模造紙に「いいね!」と思った理由も書き込んであげるといいですね。

一通り見終わったらAチームで集計し、実現可能な施策についてはBチームのメンバーと話し合い、終了です。

本ワークショップのポイント

サステナビリティ ワークショップ

コスト削減&イノベーションの近道

既存事業には既に人財もおり、その事業で培ったノウハウがあります。また、その事業の存在が既に社内に浸透しているため体制を大きく変える必要もありません。少し視点を変えるだけで新しい市場に出ていける可能性を秘めており、これを利用しない手はありません。

さらに、社内で他事業の理解を深めることで、事業同士のコラボレーションが考えられ、これまでにない掛け合わせの事業が生まれる可能性があります。

社内コミュニケーションの活性化につながる

このワークショップでたとえ事業化に結びつくアイデアが生まれなかったとしても、誰がどんな事業をしているのか理解を深める経験になり、今後の情報共有の円滑化、生産性の向上に繋がります。同事業者同士の「ヨコのつながり」、上司・部下といった「タテのつながり」だけでなく、少し離れた社内の「ナナメのつながり」の構築にも貢献。

実際に自分の手で事業を考え、生み出すという経験は、「会社は自分の力で変えられる」という成功体験にもなり、社員のモチベーションの向上にもなります。

部署をまたいだ横断的な視点を身に着けられる

このワークショップを通して、該当事業の立ち位置、担当している事業の立ち位置について理解を進めることができるので、全事業でワークショップができれば会社全体の方向性を社員が把握し、ジブンゴト化することができます。

特に、会社のビジョン・ミッションを大きく変えるような時には、会社全体の戦略のなかで各事業者がどんな貢献ができるのかを考える目的としても有効だと思います。

イノベーションを起こすワークショップの方法をもっと知るには?

本サイトを運営するIDEAS FOR GOOD Business Design Labでは、「Make Sustainability Desirable.(サステナビリティに、ワクワクを。)」をコンセプトに、会員の方向けに(登録無料)SDGs・サステナビリティ・CSV・サーキュラーエコノミー関連プロジェクトの企画立案・立上・運営までをサポートしております。IDEAS FOR GOODならではの豊富な国内外の事例を活用し、御社の強みを生かした事業づくりについて考えてみませんか?IDEAS FOR GOODチームとの共創プロジェクトも可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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【参照リンク】ハーチ株式会社

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