魚のトレーサビリティを担保するアプリ「ABALOBI」
南アフリカでは大企業による水産資源の乱獲が小規模漁業を打撃し、漁村の衰退を招いた。この問題に対処するために開発された「ABALOBI」アプリは漁師と消費者を直接つなぎ、魚の取引の透明化を図り、漁師に適正な価格を支払う仕組みを提供する。漁師が獲った魚の情報はアプリ上で共有され、消費者は直接購入できる。ABALOBIは「Fish With A Story」として商品をブランド化し、パッケージには魚の獲得情報や生産者のコメントが表示される。
アーカイブ: Listings
Description.
ヒトの排泄物を航空燃料にアップサイクルした「排泄物ジェット燃料」
Firefly Green Fuelsはヒトの排泄物から作られた航空燃料を開発し、持続可能な航空燃料への需要に革新的な解決策を提示する。高い圧力と熱の組み合わせによって下水汚泥を原油と「バイオ炭」に分離させ、この原油を加工して排泄物ジェット燃料を作る。CO2排出量は90%以上少なく、環境への影響も低減できる。生産プロセスも短期間で完了し、安定した原料供給が可能だ。
オランダ発、尿からできた石鹸「ピス・ソープ」
オランダで注目を集めている「ピス・ソープ（尿石鹸）」は、アーティストのアーサー・ギレミノが開発した。尿を原料として使用し、衛生的な方法で石鹸を作り出す。特許を取らずに尿石鹸の作り方をYouTubeで公開し、誰でも自宅で作れるようにしている。彼の目標は、人々のリサイクルへの考え方を変えることであり、ピス・ソープは廃棄物からモノを作る新たなアプローチを提案している。
欠陥品のキャンディを詰めた「Sweethearts Situationships」
Spangler社の「Sweethearts Candies」は愛を伝えるメッセージが印刷されたカラフルなキャンディで、バレンタインの定番ギフトとしてアメリカで人気だ。しかし、製造過程でミスプリント品のキャンディがどうしても出てしまい、廃棄されてきた。そこで文字がクリアでないことを「あいまいな関係」になぞらえ、特定の人に贈ることを提案する「Sweethearts Situationships」という限定商品として販売を始めた。
飲み終えたビール瓶が雨量計になる「NATIVA METER」
コロンビアのコルドバ地域の農家が育てるキャッサバからビールを製造する企業「Cerveza Nativa」は、自社のビール瓶をリユースして「NATIVA METER」という雨量計にリデザインした。これにより、農家はビール瓶を畑に置くだけで降水量を測り、作付けのタイミングを決める手助けとなる。この取り組みには、地域の気象学者と協力して地域の降水量データを集め、次の雨季の予測に活用することも含まれている。
ボストン市長が「ボストン住民と実際に通勤する」キャンペーン
米国ボストンのミシェル・ウー市長はボストン市の住民と共に通勤し、「市内交通システムのあらゆる部分を体験し、どうすれば改善できるかを考える」目的でキャンペーンを始めた。たとえばウー市長は中学校教師と共にバスで学校まで通勤し、何に対して課題意識を持っているかを把握した。ウー市長は経済的に裕福ではない人々が暮らす地域を運行するバス3路線を2年間無料化、気候変動教育など市の公共交通の改善に取り組んでいる。
家にマイクロプラの缶詰が届く「夕食にプラスチックはいかがですか？」キャンペーン
マイクロプラスチック危機に対する署名を集めるための「夕食にプラスチックはいかがですか？」と題したキャンペーンにおいて、マイクロプラスチックが詰まった缶詰「海の喜びペレット」が無料で家に届くという内容の動画が公開されている。この缶詰は架空のもので、人々のマイクロプラスチック汚染に対する問題認知のためにつくられた。同キャンペーンはその皮肉なトーンで注目を集めている。
走りながら電気自動車を充電できる「ワイヤレス充電道路」
米国ミシガン州で始まったワイヤレス充電道路実験は、道路下に電磁石コイルがあり、電気自動車（EV）が道路の上を通過すると自動的に充電されるしくみだ。これまでのEVは充電に時間がかかることが課題だったが、この技術を用いると充電時間を短縮できる。交通量の多い道路でこの技術が実装された場合、バスやトラックがEVに置き換わることにより、20万トン以上のCO2を減らせる可能性があるという。
車のナンバーが、自転車の割引コードに。パリの“お得な“乗り換えキャンペーン
オランダの自転車メーカー・ヴェロレッティが実施した「Car-2-Bike」キャンペーンは、車のナンバープレートを使って自社の自転車を購入できるプロモーションだ。パリのナンバープレートデータを利用し、入力されたナンバープレートから車種や製造年、使われている燃料などの詳細を特定する。実在する車のナンバーが割引コードになり、CO2排出量の多い車ほど割引率が高くなる。たとえば、1996年以前のディーゼル車の所有者は20%の割引を受けられる。
世界で広がる、自分の時間を取引する「時間銀行」
「時間銀行」は人とのつながりを強化する取り組みであり、時間を貯金し、提供し、交換することで構成されている。このアイデアは、1973年に「ボランティア労働銀行」として始まり、現在は世界中で数百万人のメンバーが参加している。個々のメンバーは、専門知識やサービスを提供し、その代わりに他のメンバーから必要なサービスを受けることができる。この取り組みは、高齢者や地域社会の人々にとって経済的負担を軽減し、新たな人間関係を築く機会を提供している。
