自社のサステナブルな取組みを効果的に伝えるには?担当者が知っておきたいオウンドメディア活用術

自社のサステナブルな取組みを効果的に伝えるには?担当者が知っておきたいオウンドメディア活用術

自社のサステナビリティに関する取り組みを、どうすれば自社を取り巻くステークホルダーの方々に広く認知してもらうことができるのか、悩んでいませんか?

企業の社会的な存在意義がより問われるようになった今、サステナビリティに関する情報発信はかつてないほどに重要になってきています。多くの上場企業は、自社のサステナビリティ情報を開示するために、CSR・サステナビリティレポートや統合報告書(IRレポートとCSRレポートを一つに統合した報告書)などを発行したり、コーポレートサイトにサステナビリティコンテンツを掲載したりしています。

しかし、企業のサステナビリティ担当者の方からは、なかなかレポートやコンテンツを読んでもらえないという悩みをよく耳にします。

その解決策として効果的な手段の一つが、オウンドメディア(自社で所有するメディア)を通じたサステナビリティの情報発信です。オウンドメディアは、主にリード顧客獲得のためのマーケティング手法として活用されることが多いですが、このオウンドメディアをサステナビリティ情報開示に活用することで、「自社の取り組みが届かない」という悩みを解決することができます。

今回は、自社のサステナブルな取り組みや姿勢を効果的に伝えるための、オウンドメディアの活用術について解説します。

目次

そもそもオウンドメディアとは?

1-1 オウンドメディアとは

オウンドメディアとは、自社が所有するメディア(コーポレートサイトや会社案内パンフレット等も含む)のことです。日本では一般的に、企業が運営するウェブマガジンやブログのことを指します。

以前は、CMや広告、ダイレクトメール等で、企業が潜在顧客に対し一方的に情報を流すのが一般的でした。しかし、SNSやスマートフォンの普及により、ユーザーは自分が欲しい情報を簡単に収集することができるようになりました。そのため、企業側はユーザーが求める情報、役立つ情報を発信することで集客する必要性が出てきました。そこで登場したのが、コンテンツマーケティングと呼ばれる手法です。そして、コンテンツマーケティングの役割を担う媒体として、オウンドメディアが注目されるようになりました。

1-2 オウンドメディアの目的

コンテンツマーケティングの手段としてのオウンドメディアには、主に2つの目的があります。

1つ目は、「ユーザーとの接点を作る」ということです。自社の製品・サービスに関係するテーマでユーザーの役立つ情報を発信すると、ユーザーはインターネット検索などを通して、オウンドメディアにある情報にアクセスしてくれます。これがユーザーとの最初の接点になります。

2つ目は、「企業のファンを作る」ということです。オウンドメディアで情報を発信し続ければ、継続的に記事を閲覧するユーザーも増えてきます。そういったユーザーは、自然とそのサイトを運営している会社や、その会社の提供している商品のことを知りたいと思うようになり、実際に会社のことを知ったり、商品を利用したりすることで、自社のファンになってくれることが期待できます。

1-3 サステナビリティ情報発信媒体としてのオウンドメディアとは

サステナビリティに関する情報を広く発信する手段としてのオウンドメディアにおいても、基本的に目的は変わりません。ただ、コンテンツマーケティングが目的とする「ユーザーとの接点を作る」「潜在顧客を育成する」といったところにとどまらず、企業としての意思や姿勢を伝えるという点がより重要な目的となってくるといえるでしょう。

気候変動への危機感や様々な課題意識から、ミレニアル層やZ世代を中心にサステナビリティへの関心が高まっています。ユーザーはサステナビリティに関する情報を求めています。そうした情報を自社のオウンドメディアで発信していくことで、ユーザーとの最初の接点を作ることができ、そこから自然と自社に興味を持ってもらうきっかけを作っていくことができるのです。

サステナビリティ情報発信にオウンドメディアが効果的な理由

それでは、自社のサステナビリティの取り組みや姿勢を発信していく手段として、なぜオウンドメディアが効果的なのでしょうか?その理由を3つご紹介します。

2-1 ユーザーの手元に届くコンテンツを作れる

オウンドメディアは、記事形式でコンテンツを作り上げていきますので、記事の中に動画や画像を挿入することもでき、とても自由度高くコンテンツをつくることが可能となります。投資家をターゲットとして数字やグラフをメインとした記事をつくることもできれば、消費者をターゲットとしてより分かりやすく、感情に訴えかけるような記事をつくることもできます。また、記事はCSR・サステナビリティレポートなどとは異なりユーザーのスマートフォンに届けられるので、接点を持ちやすくなります。SNSなどでのシェアも期待することもでき、PDFなどと比較しても、よりユーザーに寄り添ったコンテンツ配信形式だと言えます。

2-2 コンテンツ制作プロセスがステークホルダーエンゲージメントになる

オウンドメディアのコンテンツとして、顧客や調達先、投資家、従業員、NPOなど、自社に関わるステークホルダーの方々への取材記事なども掲載することができます。このようにステークホルダーを巻き込んだコンテンツづくりをすることで、自社の魅力や課題を客観的な目線から発信できるだけではなく、そのプロセス自体がステークホルダーエンゲージメントとなり、ステークホルダーの方々とより密接な関係を構築することができます。また、コンテンツの公開後は、ステークホルダーの方々がSNSなどで記事を拡散してくれることもあり、さらなる認知拡大を見込めます。

2-3 インナーコミュニケーションとしても有効

オウンドメディアの制作は、社内にもよい効果をもたらします。オウンドメディアのコンテンツや記事制作に、サステナビリティ・CSR担当者以外の社員も関わってもらうことで、従業員エンゲージメントも実現できますし、他部署の社員に自社のサステナビリティの取り組みを知ってもらうこともできます。また、社員がオウンドメディア上に掲載されることで、社員が自分の仕事に誇りを持てるようになったり、自分の仕事の社会的意義について考えるきっかけを提供することもできます。オウンドメディアを通じて社内の魅力を編集するというプロセス自体が、社内に新たな視点と活気をもたらすのです。

オウンドメディアの活用術

Photo by Clayton Cardinalli on Unsplash

それではここから、実際にオウンドメディアを効果的に活用するための方法を見ていきます。

3-1 コンセプトを決める

まずは、メディアとしてのコンセプトを決めます。自社のサステナビリティの方針やブランド戦略をもとに、ユーザーに伝わるメッセージを設定します。

例えばIDEAS FOR GOODでいえば、タグラインの「社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン」がメディアのコンセプトとなっています。メディアを通して何を伝えたいのかがコンセプトであり、今後メディアを展開していく上での編集方針にもつながります。

3-2 ステークホルダーを巻き込んでコンテンツを制作する

実際に制作・運営を進めていく段階では、社内外を問わずステークホルダーを巻き込んで、一緒に作り上げていくという視点が重要になります。サステナビリティ・CSR担当者だけで制作を進めていると、視点も偏ったものになりがちです。取材などを通して、積極的に社内外のステークホルダーに協力してもらうことで、より効果的なオウンドメディアを作り上げていくことができます。

3-3 メディア運営を通じて自社らしさを再発見していく

オウンドメディアを運営していく中で、様々な事例を様々な角度から取り上げていくと、その中で「自社らしさ」というものが輪郭として見えてきます。立ち上げ当初から「自社らしさ」というものを定義しすぎず、運営していく中で見えてきた「自社らしさ」を編集方針の中に取り込んでいくことで、より効果的なサステナブル・マーケティングにつなげていくことができます。

3-4 SNS戦略と組み合わせる

オウンドメディアをより多くの人に見てもらうためには、SNS戦略は欠かせません。Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSの中から、ターゲットとしたいユーザーに相性のよいものを選び、オウンドメディアに訪問してもらうための情報発信をします。より多くの人に見てもらうためには、地道にSNS発信を続けることでフォロワーの数を増やしていくことも重要です。

効果的なオウンドメディアの事例

最後に、効果的なオウンドメディアの事例を4つご紹介します。

サステナブルな社会へ(ベネッセ)

教育、育児、生活、語学・グローバル人材教育、シニア・介護を手掛けるベネッセグループのオウンドメディアです。社会に役立つ取り組みやそれにかける社員の思いを取材し掲載することで、ベネッセに少しだけ接点のあった人にさらに興味を持ってもらったり、グループ社員に仕事の意義を見出してもらったりといった効果につながっています。

LIFULL STORIES(LIFULL)

日本最大級の不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S(ライフル ホームズ)」の運営をはじめとした事業を手掛けるLIFULLのオウンドメディアです。「しなきゃ、なんてない。」をテーマに、既成概念に囚われない生き方を、社内外のインタビューを通して発信しています。設定したブランドパーパスを効果的に打ち出すことに成功しています。

サイボウズ式(サイボウズ)

クラウドベースのグループウェアや業務改善サービスを軸に、社会のチームワーク向上を支援しているサイボウズ株式会社のオウンドメディアです。「新しい価値を生み出すチームのメディア」をコンセプトとし、新しい働き方を提案することで、企業のパーパスを読者に伝えることができています。

イケウチな人たち。(IKEUCHI ORGANIC)

最大限の安全と最小限の環境負荷でテキスタイルをつくるトータルオーガニックテキスタイルカンパニー、IKEUCHI ORGANICのオウンドメディアです。社員ではないイケウチのタオルが好きな顧客・第三者へのインタビュー記事を配信しており、第三者からの広告色のないありのままの評価が読者の信頼につながっています。

Business Design Labが開催するワークショップって?

いかがでしたでしょうか。IDEAS FOR GOOD Business Design Labでは、CSV事業開発・異業種ネットワーキングに役立つ会員限定のイベントをオンラインで毎月実施しています。自社のサステナビリティの情報発信をどのように行ったらよいか分からない、近い志を持った仲間を異業種や同業種で見つけたいという方におすすめです。

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【参照サイト】CSRはオウンドメディアで発信する時代。ベネッセに学ぶ、ブランドを編集する技術
【参照サイト】読者100人に聞いた「#シェアしたくなる企業サイト」。ミレニアル世代の心を掴むための3つのキーワードとは?

※本記事の執筆にあたり、Business Design Labが提供する会員限定検索機能IDEAS Explorerを使用しています。

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