SDGsを自分ごとに。SOMPOがグループ全体で挑んだ「Earth Challenge」
「お客様を守る」という保険会社の使命から、「安心、安全、健康に資する最高品質のサービスを提供する」という経営理念を掲げるSOMPOホールディングス株式会社(以下、SOMPOグループ)。「人のために」「社会のために」という考えが社員一人ひとりに根付いているという同社は、これまで社会で困っている人達に対して、いち早く手を差し伸べることや、地域貢献の取り組みなどを行ってきました。
東日本大震災直後、社員から上がった「自分たちにも何かできることはないか」という声を受け、同社では2011年度から「SOMPOホールディングス ボランティアデー」を開始。今日まで社会課題に対して、グループ全体で積極的に取り組みを行っています。
そんなSOMPOグループが2020年12月、「SDGsについて考え、行動する」月間としてグループ全体で実施した新たな取り組みの一つが、「SOMPO Earth Challenge ~いつもよりちょっと地球のことを考える7日間~」。社員がサステナビリティを自分ごと化できるようになることを目的に、一人ひとりが日常生活の中で気軽にできる「地球に優しい」アクションにチャレンジする企画です。12月7日から15日の土日を除く7日間、同社グループの社員へ向けて毎朝異なるテーマおよび関連するクイズが発信され、各自がアクションに取り組むとともに、期間中、4,991名がクイズに参加しました。
テーマは、「環境問題や社会課題を題材にした動画を観てみよう」や「プラごみ削減のために、MY〇〇を持って出かけよう」などさまざまで、実践した取り組み内容は、社内のコミュニティ「#SDGsみんなでアクション」のフィードに投稿。今回は、コロナ禍で在宅勤務が多い状況を受け、個人でできる取り組みを中心に実施しました。今回IDEAS FOR GOODでは、Earth Challengeに挑戦したSOMPOグループの社員数名に話を聞きました。
自分たちの1歩で、地球に住む世界中の人や動植物が守られると思うと、やらないわけにはいかない
社員の皆さんには、実際に挑戦してみたことやその感想を伺いました。話を聞く中で感じられたのが、テーマに合わせて一人ひとりが「自分にできること」を実践していたこと。例えば、買い物の際に地元の食材を買う地産消費を心掛けたり、食品ロスを出さないように一度に食べきれる量だけを購入したり、エコバッグを持参したりと環境に配慮した取り組みを行う人が多かったようです。その他、会社にマイボトルを持参する人や、自転車や徒歩など車を使わない移動をする人もおり、生活の中で身近にできることにそれぞれが取り組んでいました。
また、実際に挑戦した皆さんに取り組みを行うことへのモチベーションを伺うと、温暖化や異常気象などの地球環境の変化に危機感を持つ中で、地球の未来や次世代のことを案じる声が聞かれました。以下は、印象的だったコメントです。
地球環境の変化を温暖化や異常気象により体感・実感すること多くなりました。私自身の子供のころ(30年前)と今の環境は明らかに違います。 これからの地球や子供たちのために今自分ができることだから行動しようと思いました。 自分と家族の健康、経済的かどうか、地域や環境に貢献できるかを考え取り組んでいました。自分たちの1歩で、地球に住む世界中の人や動植物が守られると思うと、やらないわけにはいかない、何かできることからチャレンジしよう、という気持ちで取り組みました。
誰かと一緒だから継続できる
しかし、以上のようなポジティブな声が聞かれた一方で、今回の企画に思うように取り組めなかった人もいるようです。繁忙期であることに加えて、コロナ禍における安全性とエコの両立の難しさを感じる、エシカル商品の値段の高さがハードルとなっている、といった声も聞かれました。
12月は繁忙期であるため、時間に余裕がなくしっかりと向き合うことができなかった。繁忙期でない時期であればもっと積極的に参加できたかもしれない。 コロナ禍で、衛生面の安全性を意識する中で、使い捨てが多くなってしまった。 地産地消を心掛けたいが、東京だとなかなか地元や近郊の食材が手に入りづらく、エシカル商品も専門店でないと手に入りづらい。またエシカル商品と普通の商品の価格差が大きいため経済的に安い方を選び、結果的に環境に配慮した消費行動につながらなかった日があった。
一人ひとり、住む場所や暮らし方などはさまざまであり、全ての人が簡単に地球にやさしいアクションに取り組むことができるわけではありません。アクションを起こすことの壁が高いと感じる人もいます。それでも、実際に取り組みに挑戦した人から多く上がった、「誰かと一緒に取り組むことで継続できる」「地球や環境に貢献できることが多いと気付いた」「積極的に発信していきたい」という言葉からは、明るい未来につながるような企画であったことが感じられます。
継続は力なり。社内で多くの人が参加をし、一緒に取り組むことで、大きな力となることを感じました。個人でできることは限度がありますので、これを機にみんなで取り組むことを継続していければ最高です。 自分や家族の健康、経済性を意識して取り組む中で、地球や環境に対して貢献できることは沢山あるんだと気付きました。また地球環境の改善が、私達の「安心・安全・健康」に直接つながっていくんだと感じました。 企画を通して、情報共有や発信することの大切さも感じたので、社内コニュニティを通じて、自分たちの取り組みを共有したり、他の活動を参考にして行動したりしたいと思います。今回の取り組みを通して、周りの理解も深まったと感じるので、自分が良いと思うことは積極的に周りにも発信していこうと思います。
同社では、ISO14001(※1)のPDCAサイクルを活用してCSRマネジメントシステムを構築し、取り組みを実施していることもあり、電気の消灯や紙資源の使用、水の使用などの環境に配慮した行動が、社員一人ひとりに日常の行動として落とし込まれています。さらに、社員食堂でのサステナブルシーフードの提供や、社内でのフェアトレードやレインフォレストアライアンス認証のコーヒー提供、売店でのエコバック利用の推奨といったさまざまな取り組みが行われているようです。
そのように、環境に配慮をした行動をとれるように変化してきたSOMPOグループですが、全国に拠点があるため、上記のような取り組みに日常の中で触れない人も多く、また新型コロナの感染拡大によってテレワーク比重が大きくなり、これまで会社で何気なくできていた、地球に配慮した行動をとれなくなった人もいます。そんな中での今回の企画は、改めて一人ひとりにとってSDGsが自分ごと化される機会となったようです。
「1人の100歩より100人の1歩」
SDGs(持続可能な開発目標)の理解浸透や社員一人ひとりの行動の変化を目指してSOMPOグループが行ったEarth Challenge。挑戦をした社員の感想にもあった通り、仲間と互いに取り組みを共有しながらチャレンジすることで、離れていても一緒に行動していることが感じられ、一人ひとりの「アクションを起こそう」という気持ちにつながったようです。
今回の企画のモットーは「1人の100歩より100人の1歩」。Earth Challengeによる一人ひとりの行動の変化は、一週間マイボトルを持参してペットボトルを買わないことを心掛けたり、エコバッグを持参して袋をもらわないようにしたりといった、一見小さな取り組みかもしれません。それでも、これをグループ全体、約5000人で取り組んだことは大きな意味のあることでしょう。一人が5000人分のエネルギーを費やすことは大変なことですが、一人が一人分×5000人なら、より持続可能な形でアクションを起こし続けることができるかもしれません。そして何より、仲間と共に行うことで、さらにモチベーション高く、継続することができるのではないでしょうか。
2020年からの10年は「行動の10年」と言われています。SDGsを意識した取り組みを行うことが“当たり前”と考える企業が増えている中、目標達成のために一人ひとりがこれまで以上にSDGsを意識すること、自分ごと化することが期待されています。そんな今だからこそ、Earth Challengeのように誰かと支え合い、行動を起こす意味を実感できるような活動が広がることを期待したいです。
※1 環境監査、環境パフォーマンス評価、環境ラベル、ライフサイクルアセスメントなど、環境マネジメントを支援する様々な手法に関する規格から構成されるISO14001の中で中心となる「環境マネジメントシステムの仕様」を定めているもの。(環境省)
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