屋根といえば、普通は上向きに尖った三角の形をしている。イランのデザイン会社BMDesign Studiosはその常識を覆し、凹状屋根を設計した。降水量が世界平均の3分の1未満のイランでは、凹状屋根が貴重な雨水や朝露を集める機能を果たす。また太陽光が直接あたる面積が少なく作られていたり、貯めた水が建物全体を冷やす仕組みになっていたりと、暑い地域ならではの工夫も見られる。気候変動を「強み」に変え、現行システムの「回復力」を改善する設計戦略に焦点を当てた結果、美しく独特な形状が生まれた。
リサーチャー, Vienna
イギリスの大学院で戦争学、国際関係学を学ぶ。欧州在住フリーライター。EUの政策・規制、経済、産業、政治、環境リサイクル分野での執筆活動および調査に携わっている。趣味は旅行・油絵・書道・犬の飼育・ワイン(飲酒)。