国土の4分の1が海面下にあるオランダは、洪水の危険と常に隣り合わせだ。人々に気候変動や治水へのアクションを喚起するため、アムステルダムの醸造所「Hemelswater」は、災害のもと・雨水からビールを製造した。細菌除去や加熱処理を経た雨水で作ったビールは水道水製のものに比べて、やや柔らかくて苦みがあり、濃い味に仕上がるという。価格は1本2ユーロ。ビール醸造のためには大量の水が必要だが、オランダは季節による降水量の違いがあまりないため、雨水は安定した原料となりうる。
リサーチャー, Vienna
イギリスの大学院で戦争学、国際関係学を学ぶ。欧州在住フリーライター。EUの政策・規制、経済、産業、政治、環境リサイクル分野での執筆活動および調査に携わっている。趣味は旅行・油絵・書道・犬の飼育・ワイン(飲酒)。